2017年04月13日
冨田 建 不動産鑑定士・会計士・税理士

民法改正~敷金について要注意!

冨田 建 不動産鑑定士・会計士・税理士

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先日、衆議院の法務委員会で民法の改正案が成立したとのことです。


この後、参議院に回されて、たぶんここでも賛成多数でしょうから、この改正は成立すると考えられます。


民法とは、平たく言えば、憲法の下で、生活に関連する一般的な決まりを事細かに定めたものと言えますが、


実は、不動産に絡むことについても色々と条文が見直されたようです。


筆者は一介の士業なので誤解や理解不足もあるかもしれませんが、筆者なりに考察してみたいと思います。


※下記リンクが民法の新旧対照表です。

民法改正 案


ここで、特に今回、注目すべき点の一つに、敷金についての条文(第六百二十二条の二)が新設された点があります。


第六百二十二条の二
賃貸人は、敷金
(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。
一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。
二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。


2賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。この場合において、賃借人は、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない。

 


個人的には、上記の下線の緑字の部分の通り、「敷金の定義」が民法上、明確にされた点は要注意と思います。

※ちなみに、現行の民法では、敷金という表現は下記部分にでてきますが、敷金というのみで「敷金の定義」が明確ではありませんでした。

■第三一六条 賃貸人は、敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。

■第六一九条二項 従前の賃貸借について当事者が担保を供していたときは、その担保は、期間の満了によって消滅する。ただし、敷金については、この限りでない。



ここからは私見です。


実は、建物を賃借する時の敷金の慣習は全国一律ではなく、地域で異なります。


例えば、関西等の西日本の一部地域では、いわゆる敷引という慣習があります。


要するに、賃借契約終了時に敷金(関西では保証金という事も多いようです)から予め定めた一定額を控除して


返還するものですが、民法改正後に賃貸借契約書上で控除予定分も敷金と書く事には安易にならずに


改正後の民法の文言や改正後の実務上の慣習形成を考慮して慎重にした方がよいと感じる等、


色々な場面で「敷金」という文言の使い方は慎重になった方が…と個人的には思っています。



勿論、実務では改正に十分に留意して賃貸借契約書を作成するでしょうが、


一般の方におかれても、民法改正後に「敷金」という言葉を使う時は、


このような背景に十分に留意して契約をして頂ければと思います。



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