2017年05月30日
スマイスターMagaZine 編集部

LGBT専門の不動産会社が語る!部屋探しでぶつかる法律と偏見

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今月、6日と7日に渋谷の代々木公園で「東京レインボープライド2017」が開催された。LGBT、性的少数者が自分らしさを追求できる社会の実現がテーマで、多くの人や企業が参加した。
LGBTとは、Lがレズビアン(女性同性愛者)、Gがゲイ(男性同性愛者)、Bがバイセクシュアル(両性愛者)、Tがトランスジェンダー(身体的性別と性自認が一致しない人)の各語の頭文字をとった表現である。イベントには2日間で10万人以上が来場し、大盛況だった。
こうしたイベントの後押しもあり偏見は以前より薄れてきたというが、まだまだ不公平を感じる場面は多いという。
 中でも苦労するのが“住”についてだ。
LGBTの家探しにおける苦労や不平等について取材した。



LGBTを象徴するレインボーフラッグ (画像=写真ACより)


LGBTに対する偏見やイメージ

同性同士のカップルが、一緒に住むための家を借りるのは至難の業だという。カップルに限らず、血縁や婚姻関係にないもの同士が賃貸住宅で共同生活をするのは、ハードルが高い。夫婦や兄妹より繋がりが希薄で、関係が悪化すると別居してしまうと思われているからである。そうなれば、家賃が支払われるか分からないため断る。というのが表だった理由だ。

よってパートナーと同居の際は、恋愛関係にあることを隠して、「ルームシェア」として住むことがほとんどだ。しかし、ルームシェアが可能な物件は少なく、選択肢は大幅に減ってしまう。こういった背景以外にも、大家や管理会社の偏見にさらされている現実がある。

こうした不公平を受けるのは、特に年配の大家に多いという。
一昔前には、同性愛は「病気」というイメージがあり、差別や偏見の意識が根強く残っている。
また、テレビのオネエタレントの派手な演出や、新宿二丁目の奔放なイメージで「うるさそう」「深夜の出入りが多そう」などの偏見が助長されているのだ。

こういった問題に正面から取り組んでいる会社がある。


とにかく法整備を進めていくしかない

LGBTの住まいを中心に、保険や投資などの、人生設計についてトータルサポートを行うIRIS(アイリス)だ。代表の須藤啓光さんをはじめとして、スタッフ4名全員がLGBTだという。


株式会社IRIS 代表 須藤啓光さん

須藤さんはゲイで、不動産契約で不公平を感じてきた経験があったことから、会社を立ち上げた。
「パートナーと同居しようとした際、見つけた物件を巡って他の家族と申し込みがかぶったんです。私の方が早く申し込んだにも関わらず、入居審査に落ちてしまった」。

大手証券会社に勤めており、年収は十分にあった。にもかかわらず、自分たちがゲイカップルであることを理由に断られたのだと直感した。
起業を決意して、昨年4月にLGBTの相談を開始。宅建資格を取得した今春から不動産仲介の業務を本格的に始めた。

活動を開始してからも差別の現場を目撃してきた。同性カップルと一緒に物件の内見に行った際に、不動産仲介会社から「うちは、そういうの(同性カップルの入居を)やってないんで」と、面と向かって言われた。「お客様の目の前ですよ…」と須藤さんが、怒りと寂しさの混じった顔で話してくれた。

昨年の4月の相談開始以来、同社はLGBTの住宅についての悩みの駆け込み寺だ。これまでに問い合わせや相談に来た件数は200件を超える。自社のホームページ上でしか告知はやっておらず、ほとんどが同社の活動を聞きつけてやってきた。このことは、住まいについて困っているLGBTの計り知れなさを表している。

「若い人同士だと、家賃を節約する目的でルームシェアをすると言えば審査は通ることもある。問題なのは30~40代のカップルや年齢が離れているカップルです。不便なく部屋探しが出来るようになるには、同性婚を認める法整備が必要です」

自治体が発行するパートナーシップ証明書にも問題点あり

各自治体が同性カップルに、事実上の結婚に相当する関係を認める「同性パートナーシップ証明書」というものがある。証明書を発行してもらえれば、企業が認めている場合において住宅ローンや生命保険などの受け取りをパートナーに指定することが出来る。

都内では、渋谷区と世田谷区が証明書発行を行っている。前述の須藤代表自身は渋谷区から証明書の受け取りを検討している。
先の東京レインボープライドで本サイトが行ったアンケートでは8割以上の人が、このパートナーシップ証明を申請したいとの回答があった。しかし、証書の発行などに費用がかかるなど、課題も多い。

また、当事者が必ずしも歓迎しているわけではない。「誰かにカップルとして認めて欲しいと思ったことがないので、わざわざお金をかけて申請したくはない」や「こういった新制度を設けること自体が、他とは違うという偏見を持っているからだと思う」という意見もあった。



自分らしさを追求できるように

今月24日に台湾で同性婚を認めない民法は違憲との判断が下され、アジア初の同性婚認可へ一歩を踏み出した。
日本も13人に1人いるといわれているLGBTである。同性婚が認可されれば、賃貸や住宅ローンの問題は法の下においては解消される。しかし、法的な不平等が無くなったとしても、偏見が無くなるとは限らない。

須藤代表は語る「不動産の業界団体で話を聞く機会がありましたが、そこで『私たちも(LGBTを)認めないといけないんだよ…』と渋い顔でため息をつくように言っていた」という。
偏見やイメージを無くすには、まだまだ、時間がかかりそうだ。


※2017/6/1 13:32 一部修正

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