2018年07月13日
不動産×Tech

SengokuLAB・仙石Ph.D. 都市ハッカーはオープンデータで都市を解析

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遠くない将来、不動産テックによって不動産ビジネスは劇的に変化すると言われている。


これまでの商慣習や仕組みごとかわり、無数の新ビジネスが生まれるかもしれない。


不動産テックに関連する企業経営者や行政機関などに取材し、不動産テックによって不動産ビジネスがどう変わっていくのかを考えてみる。


今回は、都市・空間・位置情報データなどを研究し、不動産業界への活用を考えているSengokuLAB(東京・文京区)・仙石裕明博士に話を聞いた。(スマイスターMagaZine Biz編集部)




SengokuLAB・仙石裕明博士(撮影=スマイスターMagaZine Biz編集部)



―地理情報データ基盤の開発をされているそうです。どんなものなのか具体的に教えてください。


地図データですとかオープンデータの利活用に関する研究を通じて、不動産業界、不動産ビジネスへの応用を試しています。オープンデータとは国などの行政機関が集めて公開されている情報です。そのうちの一つではなく複数のデータ組み合わせます。具体的には、総務省の住宅土地統計調査、国勢調査、あとは国土地理院の基盤地図情報など国交省の国土数値情報地図、厚生労働省の人口動態統計、経済産業省の経済センサス、商業統計などを活用します。この辺がメインで、その他の小さな項目データも含めれば、合計18種類以上のオープンデータをもとに研究しています。



―こうしたデータをどのように加工、利用するのでしょうか。


オープンデータは公的なものですが、エクセルでしか取得できないものが多い。複数のデータを組み合わせるためにも、システムによる加工が必要です。さらに、当然ですが、個人情報にふれる部分は公開されません。だから、渋谷区とか文京区という、市区町村単位でしかわからないものが多い。でも、マンションを建てる場合は、文京区という情報だけでは対象が広すぎて意味が無い。もっとピンポイントでどんな人達が住んでいるのかを知りたいはずですよね。そこで、統計的な予測・補間モデルを構築して、市区町村のデータしかないものを1丁目2丁目とかの単位まで、細かい分布に埋めていくんです。こういうエリアレポーティングに必要なデータを作っています。



―そのエリアにどんな人が住んでいるのか、どこまでわかるものでしょうか。


地域の平均年収、将来の人口、持ち家率、世帯別の人口増減→家族累計×世帯主というクロスした細かい世帯情報、過去5年間でどこが増えているのかがわかります。その他にも世帯主の年齢、性別、年収なども分かります。例えば、「このエリアにはシングルマザーが多い」なども分かります。シングルマザーの家庭は青といったように、視覚的にわかりやすくするために、地図上に色を変えてプロットします。


どういう仕組みになっているかというと、まず1丁目単位のデータを加工して世帯単位まで推定します。「恐らくここは一人暮らしだろう」「ここはファミリーだろう」という感じに、世帯単位に補足して集計します。




世帯主年齢_世帯人員別世帯構成割合_本郷3丁目周辺

(画像提供=SengokuLAB)



不動産の賃料予測をやっている会社であれば、過去の事例データを用いて予測を行っていると思います。しかし、不動産ビジネスでの活用には、住む人の教育レベルや年収、エリアの防災に対する強さなどの総合的な情報が必要なはずです。そういう情報が網羅的に整備されているわけではないので、オープンデータをもとに推定したり、予測精度そのものをさらに高めていこうというわけです。



―現状ではどのくらいのエリアをカバーしていますか。


項目によるんですが、基本的に将来の人口増減や、家族構成などの夜間人口に関するデータは全国をカバーしています。推計年収などは都市部ではカバーできています。



―地図上にある家の住んでいる世帯年収まで推定できてしまうのは、少し不思議な感じがします。


推定でしかないため、実際のところはわかりません(笑)。世帯年収は市区町村単位まで公開されています。この市には年収いくらの世帯が、どのくらい住んでいるかまでは公開されています。そこから、細かい分布まで出すのは予測によるものです。


まず重みとなるようなデータがあります。

例えば家の広さとか、路線価の高さとか、駅からの距離などですね。売買価格の推計ロジックをいろいろな会社が作っていますけれども、坪単価とか駅からの距離などの複数の情報を用いて予測しているのと、似ていると思います。




世帯主年齢_世帯人員別平均年収_本郷3丁目周辺

(画像提供=SengokuLAB)



予測する対象が売買価格ではなくて、住んでいる人の個人属性を予測しているということになります。その代わり、最後は個人情報がないと検証ができません。現状では、検証はできていません。でも、30㎡の部屋に6人家族は住みませんし、そういう「何㎡の家には何人が住んでいるだろう」というのを国は市区町村単位でクロス集計表を出しているものがありますので、それに反しないように予測を出しています。



―しかし、映画「万引き家族み」たいに、小さな家におり重なるように住んでいる世帯もいますよね。そういう世帯はどうするんでしょうか。


最後に合計すると、人口や世帯数に対して該当しない家が残ってしまいます。そういった世帯はランダムにどこかに当てはめられます。ランダムなので、本当にその家に住んでいるのかはわかりませんが、この街のどこかに「万引き家族」のような世帯がいるということは分かります。



>>次のページ:オープンデータは不動産業界にどう活かされるのか<2ページ目>




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