2018年06月22日
不動産テック

VR内覧でシリコンバレーを超える スタイルポート・間所社長

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遠くない将来、不動産テックによって不動産ビジネスは劇的に変化すると言われている。


これまでの商慣習や仕組みごとかわり、無数の新ビジネスが生まれるかもしれない。


不動産テックに関連する企業経営者や行政機関などに取材し、不動産テックによって不動産ビジネスがどう変わっていくのかを考えてみる。


フルCGにこだわったVRサービス『Roov』を提供するスタイルポート(東京・渋谷区)間所暁彦社長に話を聞いた。記事の最後には『Roov』のデモ画面も紹介する。(スマイスターMagaZine Biz)




スタイルポート・間所暁彦社長(撮影=スマイスターMagaZine Biz編集部)



―サービスについて教えてください。


WEBブラウザで見ることができる、バーチャル内覧サービス『Roov』(ルーブ)を開発しています。2次元で作られた不動産図面をCGにしてVRで体験できるというものです。


このサービスでは特別なアプリもいりません。高価なグラフィックソフトもいりません。PC・スマホどちらにも対応しており、なおかつどちらでも快適に動かすことができます。


クリックするだけで、簡単に部屋に入ることができ、内覧しているような体験ができます。VR画面は我々のサーバ上にあり、URLリンクをお渡しするので、メールに添付して物件購入希望者の方に配布することが可能です。もちろん物件掲載系のポータルサイトに貼ることもできます。



―クラウドサービスである点が特徴的ですね。


不動産会社の皆さんにとって、利用しやすい形式を意識しています。それに景観以外はフルCGで作ることにこだわっています。


CGであれば、何もない部屋にインテリア素材(情報)を追加することができる。すると空間的なイメージを把握することが可能です。居住中の雰囲気もわかります。


例えば、「いま、家にある家具を置いたイメージが見たい」という要望があります。その際には、家にある家具のサイズデータを入力すれば、画面に反映され、向きや場所も調整することができます。これから買おうとしている家具でも同じです。


逆に、部屋の採寸もできるので、天井の高さを測ったり、窓の大きさを測ったりすることもできます。購入するカーテンのサイズを調べるのも簡単です。


視点の変更も自由にできます。内覧時の人間目線から、俯瞰した図面に切り替えて見ることができます。そこからまた、図面に戻って、見たい部屋に入る事も可能です。CGならではの機能です。



―お話を聞いていると、CGにこだわりがあるようですね。


フルCGにこだわるのは、私が以前、不動産デベロッパーで働いていたこともあって、「写真をゴーグルで見せるという形のVRは実際の現場では使えない」と思っているからです。最初は珍しいので、一定の導入はあると思うのですが、もう少し深く浸透するためには、不動産取引で生じる不便さに対する明確なソリューションでなければいけません。そういう点では、写真からおこしたVRでは情報力が足りない。


実際の部屋に入ってできること、つまり内覧でできること全部をVRでできるようにするにはCGでなければ駄目だという風に考えています。まだ、CGを作るのに工数がかかって、採算ラインに乗せるのが大変なのですが(笑)



―コストがかかってもCGでやるべきだと考えるわけですね。


コスト問題についてはオペレーションを改善していくことで解決していきます。やり方はいろいろありますが、1つのアプローチとして不動産のCADデータをAIで解析して、立体にするシステムを開発中です。


現状ではCGを制作するには、専門的な知識を持つ人が必要で、そこが大きなコストになっていました。これを自動化することによって、はコストをかけずに、図面からある程度の空間(立体)までもっていくことができるようにしたい。


システムの開発コストはかかりますし、AIを扱えるエンジニアを探すのは大変です。でも、なんとか完成させて、フルCGであっても、低コストで制作できる状態を目指しています。


CGのVRを普及させるためには、「海外のデザイナーを活用してコストを3分の1にできる」といったぐらいでは足りないと思っています。10分の1以下のコストにまで下げなければ、実際の不動産取引の現場で広く使ってもらうことはできないと思います。




Roov(画像提供=スタイルポート)



―実際の不動産取引や現場を意識して開発されていますね。


そうですね、私自身も不動産開発の仕事をやっていた経験が大きいと思います。

会社の沿革について少し説明しますね。当社は、まだ新しくて2017年10月11日に設立した会社です。その割に、資本金準備金も含めて4億4,500万円あるので、大手企業の子会社なのかと勘違いされることもあるのですが、ベンチャー企業です。


私は矢作建設工業で、20年ぐらい不動産開発や不動産投資に関連する仕事をしていました。そして、2011年に当社の前身となるスタイル・リンクという会社で起業しました。不動産会社向けのコンサルティングや建築物の設計や仲介を主軸にした会社です。


スタイル・リンクの主力事業はマンション内覧会の代行でした。新築マンションの分譲は、毎年1~4月に多いのですが、時期が集中しているので不動産会社の社員だけではなかなか対応できません。


そこで外部のわれわれが請け負うのですが、日本でその事業をメインでやっているのは数社しかいません。スタイル・リンクは、その1社でした。東海三県で行われるマンション内覧会の30%は我々が請け負っていました。



―そういったビジネスがあるんですね。内覧会でお会いする方はデベロッパーの社員さんばかりではないんですね。


内覧会といっても販売のためだけではないんですよ。マンションを購入された、契約者の方が引き渡し直前に、契約物件の最終チェックをしてもらったりもします。その手前、直前表層検査など、内覧会だけではなく、契約者のフォローアップを行うんです。


デベロッパー企業も時期が集中しているピークに合わせて、社員を雇うことはできません。仕事の難易度もそこまで高くないため、かなり引き合いが多い事業でした。


そういった経験もあって、不動産取引の現場をもっと効率化したいと思い、5年後の2016年に不動産業界向けのITサービスを提供するスタイルポートという会社を共同で設立しました。


そして上場を目指すなかで、スタイル・リンクの内覧会事業とスタイルポートのテック事業、この二部門だけで新しくSTYLE PORTを設立し、前身の会社から営業譲渡を受けた、というのが2017年10月11日でした。会社としては11年が起源なのですが、法人登記は2017年10月でした。


その後、約2億5,000万をグリーベンチャーズ他から第三者割当増資を受けて今に至ります。



>>次のページ「『Roov』のCGエンジンはシリコンバレーを超える」


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