2017年08月30日
行政書士ダンディ法務事務所の大熊厚史

しくじりダンディ先生「一度失った信用は二度と戻らない&人生は七転び八起き」

行政書士ダンディ法務事務所の大熊厚史

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テレビ朝日系の人気番組「しくじり先生 俺みたいになるな!!」が、10月の番組改編のため終了することが発表された。過去に一世を風靡した有名人・著名人たちの栄光と転落、またそこから学んだ教訓を本人自らが赤裸々に語る番組形式は、斬新で話題を呼んだ。

そこで、編集部ではスマイスターMagaZineの専門家からしくじりエピソードを募集。その中でも特に人生の紆余曲折を乗り越えた、行政書士ダンディ法務事務所 大熊厚史代表のしくじりエピソードを紹介する。(スマイスターMagaZine編集部)



しくじりの過去を思い出す大熊行政書士 (撮影=スマイスターMagaZine編集部)


ひとつのしくじりが大きな結末を生む


父親が経営する30年続く司法書士事務所で、順風満帆な毎日を送っていた最中、その日は突然やってきました。2001年の冬、朝いつものように車で事務所に通勤すると、入り口の前で事務員のTさんが呆然と立ち尽くしていました。玄関の鍵穴が何かで塞がれていて開かないのです。すぐに鍵屋を呼んで開けてもらいましたが、中に入って見た光景に驚きました。

事務所の金庫が丸ごと姿を消していたのです。取引先の通帳やカードが入っていました。即座に全ての銀行に連絡するなか、警察が来て実況見分や取り調べが始まりました。

盗まれた金庫の中には、現金は少量しか入っていませんでした。しかし、「抵当権設定契約書」という重要な書類が入っていたことが大きな問題となりました。

抵当権設定契約書」とは、銀行でお金を借りた際、もし返済ができなくなった場合に、銀行に土地・建物等を譲り渡す、いわば借金のかたにする、と約束する書面です。この契約書がなければ、法務局に抵当権設定登記申請ができません。

すぐさま銀行に書類の紛失を説明し、あらかたの銀行は理解して頂きました。しかし、1つの銀行だけは大激怒して聞き入れてもらえず、完全に信用をなくしてしまいました。そこは、銀行が開店して以来密接にお付き合いがあり、深い絆で結ばれていたはずの銀行でした。

事件から二週間後、新宿で盗まれた金庫が発見されました。犯人は中国人の窃盗団でした。金庫の中には現金はなくなっていましたが、書類は全て残ったままでした。「抵当権設定契約書」もありました。これで銀行の怒りも静まるかと思いましたが、甘かったです。失った信用が戻ることはなく、事件後は二度と仕事を回してくれなくなりました。

二度ほど直接その銀行の貸付様に会い、謝罪をし、さらに誠意を込めて書いた謝罪文を送りました。しかし、なしのつぶてでした。

その頃、中国の窃盗団が日本で暗躍しているのは知っていました。もっと用心しておけば良かったと後悔はしましたが、実際に自分の事務所の金庫が丸ごと盗まれるまで、まさか自分が、と他人事で油断をしていました。

また、たった一度の過ちによって、懇意にしていた銀行との関係が切れてしまったことも大きなショックでした。

当時、仙台に住む女性と遠距離恋愛をしていました。仙台に会いに行った時は、何故だか別れ際に涙が止まらなくなりました。心が病んでいたのでしょう。

仙台から帰宅後、すぐに高熱を発症し寝込んでしまい、さらにパニック障害を引き起こし酷い鬱病になってしまいました。鏡を見て、笑顔を作ろうとしてもどうしても笑えません。趣味は音楽活動をしていたのですが、全く興味がなくなり、生きる屍のようになってしまいました。


不幸は重なります。あの金庫盗難事件のあと、事務員のTさんが脳梗塞で倒れ退社してしまいました。また、それまで順調だった事務所の業績は次第に悪化していきました。多い時は1日に3件重なったこともあった不動産売買の立ち会いが、月に1件あるかどうかにまで落ち込みました。

司法書士事務所が経営を安定した収益を生むには、この立ち会い業務が大事です。1件立ち会いがあれば、司法書士は「抵当権抹消・所有権移転・抵当権設定」の3つの仕事が入ります。立ち会いが減るということは、事務所の死活問題なのです。


こうして2008年9月、長く続いた司法書士事務所をたたむことになりました。それと同時に、私は元々その事務所を継ぐ予定だったので、当然無職になってしまいました。未来の展望はなくなりました。


無職に転落…新たな仕事とは



ダンディな探偵でもなるか…? (撮影=スマイスターMagaZine編集部)


事務所をたたんで1カ月後、私は次の職として「パチプロ」を選びました。当時は潜伏確変が全盛期、朝早く並んで「朝一ランプ台」すら確保できれば簡単に稼ぐことができました。月に50万円ほど稼げるときもありました。貯金もどんどん増えていきました。

しかし、家族には全く理解してもらえませんでした。大熊家の恥さらし扱いです。世間の認識では、パチンコ=ギャンブル=遊びですから仕方ないのでしょうか。

私は完全に仕事のつもりでパチンコと接していましたが、誰も理解してくれない孤独な日々。更にライバルとの毎朝の台の取り合いの死闘。店員からの粘着的な嫌がらせ。店からの理不尽な出入り禁止。パチンコとは遊びで趣味としてやるには楽しいですが、それを仕事にすると非常に無味乾燥で、つまらないものです。いわば工場で同じ作業を延々にこなしていることと全く変わりませんでした。


こんな日々が4年ほど続いた頃、段々と将来に対する不安が大きくなってきました。

そこで「パチプロ」を続けながら、別の道も模索することに挑戦しようと思い立ちました。
まず、LECの「マンション管理」の職業訓練に3カ月間通いました。そこで初めてマンション管理会社の存在や、マンション管理士という国家資格について知りました。運命的な出会いでした

ちょうど胆石を患い、胆嚢摘出手術をした直後でしたが、なんとか管理業務主任者の試験に合格。これで薔薇色の人生が始まる、とはいかないまでも、まっとうな道に帰れる、と希望に溢れていました。


マンション管理会社に就職する為に、ハローワークに通い、とにかく片っ端から応募しました。しかし、なかなか面接まで辿り着けないのが現実でした。面接までこぎつけても不採用の連続、またも絶望しました。希望を信じて疑わなかった自分があまりにも馬鹿に思えたのです。
35歳を過ぎると、未経験の分野に転職するには極端に厳しい壁が存在することを舐めていました。

少し自暴自虐になりながら、それならばマンションの資格の最高峰「マンション管理士」の資格を取るしかないと覚悟を決めました。しかし結果は非情、不合格でした。あまりにも悔しくて一晩中泣きました。自分が情けなくて許せなかったのです。

すると父に、「マンション管理士」にこだわらず「行政書士」の資格を取得した方が良いのではなかろうか、とアドバイスされました。

そのアドバイスによって、すぐさま「行政書士」の勉強を始めました。すると非常に面白く、勉強する喜びに目覚めていきました。昔、強制的に中学受験の為に嫌々塾に通わされていたのを思い出しました。あの頃は苦痛しかありませんでしたが、今はこんなにも楽しい、目標を持ったうえでの勉強って本当に素晴らしいと思いました。

しかし神様はいません。残酷な現実しかありません。また行政書士の試験も不合格になってしまいました。またまた絶望です。どこまでも試練を与えてきます。

そんな時、唯一私を支えていたのが趣味の音楽の存在であり、音楽仲間の温かい応援でした。作詞・作曲をし、年に一度の音楽ライブで歌う。特に音楽仲間とコラボレーションをして一つの作品を作り上げる喜び。それがなければ絶望を乗り越えられなかったと思います。


苦難の果てに…

そして、ついに「行政書士」と「マンション管理士」のダブル合格の日を迎えます
「行政書士」は1回、「マンション管理士」は2回不合格した後、やっと勝ち取った合格です。家族も、友達も、音楽仲間もみんな祝福してくれました。感謝の気持ちしかありませんでした。

そこから、行政書士事務所を開業し、現在に至っています。

事務所の名前は当初「行政書士大熊厚史事務所」を考えていました。しかし、それではインパクトがなく、一発で覚えてもらえません。

だから、インパクトのある「行政書士ダンディ法務事務所」という名前にしました。

私は小学生の頃から俳優の天知茂に憧れていました。土曜ワイド劇場で放送された名探偵明智小五郎を演じる「江戸川乱歩の美女シリーズ」での天知茂の眉間の皺の凄さが、当時小学生のガキだった自分にはあまりにも衝撃的でした。それから天知茂が永遠のヒーローになりました。

事務所の名前を考えたとき、あの頃の天知茂に比べて自分の人生はまだまだ情けないままだと感じました。今から少しでも天知茂に近づきたいと考え、「ダンディ」という言葉を選びました。

それに加えて、ダンディと名乗っているからには、みすぼらしい恰好や情けない顔はできないと思い、自分に常にプレッシャーをかける意味もあり、良いと思いました。

「行政書士ダンディ法務事務所」という名前には、そんな私の長年の夢とロマンが秘められています。



涙が流れるほどつらかった (撮影=スマイスターMagaZine編集部)


私のしくじり人生から得た教訓

結びに皆さんに伝えたいことがあります。
まず1つは「どんなに深い絆でも一度失った信頼は二度と戻らない」ということです。
仕事でも友人・家族・恋人関係でも一緒です。たった一度の過ちで全てを失うのです。細心の注意を日頃から心掛けて生活して下さい。どんなに謝罪しても許されないことが、この世の中には沢山あります。大切な絆であれば、なおさら失わないように深く心に刻み込んで下さい。

もう1つは「人生七転び八起き、何度絶望しても這い上がるしか道はない」ことです。

私は、仕事や人生、恋愛、不合格、といった経験から自分の才能のなさに絶望し、その度に地獄の底まで転落しました。もう二度と社会復帰できないと諦めて、遺書を書いたこともありました。

しかし、人間はしぶとい生き物です。弱く脆くとも、背水の陣に追い込まれるとたくましく反撃する力強さを持っているのです。




ダンディな人生を肝に銘じる大熊行政書士(撮影=スマイスターMagaZine編集部)


人間は皆ダンディです。一人ひとりそれぞれ誇りを持ち、どんなに絶望しても苦悩をしても、再び立ち上がるのです。人生とは戦いの連続です。そして希望と絶望の連続なのです。そのことを心に深く刻み、日々を生きてみてはいかがでしょうか。

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