2017年06月13日
藤田 勝寛

「サツキとメイの家」の資産価値を鑑定!データでひも解く草壁家

藤田 勝寛

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愛知県は、スタジオジブリと協力し、愛・地球博記念公園にジブリパークを再整備する方針を明らかにした。オープンは2020年代の初めを目指す。同園内にはすでに「となりのトトロ」の舞台となった「サツキとメイの家」が建っている。日本家屋に洋風の玄関がくっ付いたあの家は印象的だ。では、実際に「サツキとメイの家」の資産価値はいくらなのだろうか?そもそも、「サツキとメイの家」はどこにあるのだろうか?あかつき不動産サービス代表 走る不動産鑑定士 藤田勝寛氏に聞いた。(スマイスターMagaZine編集部)。


サツキとメイの家外観 (画像=写真ACより)



サツキとメイの家はどこにある?

スタジオジブリ作品の「となりのトトロ」。
恐らく知らない人はいないのではないでしょうか。
1988(昭和63)年に上映され、その後もテレビで15回も放送され、いずれも高視聴率を獲得している人気アニメーション映画です。

昭和30年代の物語で、不思議ないきもののトトロと草壁家のサツキとメイが交流するというストーリーです。2005年の愛知万博では、この「サツキとメイの家」が再現され人気を博し、博覧会終了後の今でも保存されています。

では、劇中でこの家がある場所はどこがモデルになっているかご存知でしょうか?

諸説あり、またいろいろな土地の要素が入り混じっていますが、最も有力なのが「埼玉県所沢市松郷」となっています。所沢市~東京都東村山市にかけて広がる狭山丘陵が「トトロの森」とされており、作中にもそれを伺わせる描写が見られます。現在は狭山丘陵に5つの都立公園があるが、そのうちの一つである「八国山緑地」は、サツキとメイのお母さんの入院していた病院のある「七国山」のモデルになっていると言われます。
そして現在の松郷はこの八国山からは少し離れていますが、映画の中でサツキが「どこから来た?」と尋ねられ、ズバリ「松郷」と答えています。さらに松郷に隣接する「牛沼」という地名も、ネコバスの行き先で一瞬表示されてます(その後すぐ「メイ」となるの、ぜひ再度映画でチェックしてみてください)。

以上から、所沢市松郷地区を「サツキとメイの家があった場所」と断定し、今回は彼女たちの家の現在の「資産価値」を査定するという難題に、「不動産の価格を求める専門家」の不動産鑑定士である私が全力で取り組んでみたいと思います。


サツキとメイの家、その資産価値は?

松郷地区の住宅地で牛沼地区に近い場所に、地価公示地「所沢-20」があります。用途地域は第一種低層住居専用地域で閑静な立地。法定上の容積率は80%。地積は166㎡となっています。公式情報によれば、草壁家の建物は木造の平家で床面積は108.4㎡(32.8坪)。

地価公示地とは、その地域の標準的な地積の土地を採用しており、草野家の建物はこの地積を採用すれば容積率の範囲内でおさまることになるため、166㎡をそのまま採用することにします。
この公示地の価格は12万7千円/㎡(平成29年1月1日時点)。周辺の実際の土地取引相場を見ても、公示価格並みであるため、草野家の現在の土地価格を

12万7千円/㎡ × 166㎡ ≒  2,110万円
と査定いたします。

次に建物価格ですが、昭和30年代にすでに建築されていた草壁家は少なく見積もっても現時点で築50年は経過しており、不動産取引上は「古家あり」という判断になります。古家を取引する場合、通常はそこに住むことは想定されず取り壊すことが前提となります(映画ファンとしては悲しいですが・・・)
建物の解体費を、坪当たり3万円で計算すると、総額で100万円程度となります。

よって、土地価格から建物解体費を差し引いた、2,010万円が、現時点での草壁家の資産価値と判断いたします。


「サツキとメイの家」間取り図 (画像=スマイスターMagaZine編集部作成)


データでひも解く草壁家

資産価値の査定があまりにあっさり終わってしまいましたね。
ここからは余談的に、映画の背景から草壁家の資産状況、家計状況を分析してみたいと思います。

不動産情報サービス業の「at home」によれば、平成29年5月の所沢市の土地取引相場価格(地積150㎡~199㎡)は2,833.49万円。また、一戸建取引相場価格は3,075.73万円。
草野家は土地価格の比較でも相場より約26%も低い水準です。
では草壁家は貧乏一家だったのか??

公式情報によれば草野家は、お父さんが32歳、サツキが12歳、メイが4歳(お母さんは不詳)。お父さんが20歳の時にサツキが生まれたことになります(若いですね・・・)。お父さんの職業は東京にある大学で考古学を教える非常勤講師とのことです。


次に不動産情報サービス会社の「東京カンテイ」の公表データでは、平成27年度の新築マンション年収倍率は、埼玉県で10.33倍とのことです。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によれば、埼玉県のサラリーマンの平均年収は299.3万円(全国平均304万円)。
先ほどの所沢市の戸建住宅の相場価格を用いれば、年収倍率は10.27倍と、戸建購入の場合でもほぼマンションと同じ結果を得られることになるため、この倍率を当てはめて考えてみましょう。


お父さんが東京のどこの大学の講師かは分かりませんが、ここでは東京大学と勝手に仮定してみたいと思います(なんとなくエリートそうな顔立ちですし)。

「平成26年度 独立行政法人、国立大学法人等及び特殊法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準一覧」に基づけば、東京大学の非常勤講師の平均年収は582万7,000円(平均年齢39.2歳)。平均年齢よりやや若いことを考慮しても埼玉県のサラリーマンの平均年収の1.5倍以上稼いでいる可能性があります。
なお、先述の賃金構造基本統計調査では、昭和40年当時のサラリーマンの平均年収は44万7,600円(これより古いデータが把握できませんでした)であり、ここから推測するに、当時で60万円ぐらいの年収だったのかもしれないと思います。
当時は共働き世帯も少なかった時代です、夫の収入=世帯収入と考えれば、比較的裕福な家庭だったと想像できます。

年収倍率だけなら草野家はもっと高い家(現在に換算して総額5,000万円~6,000万円)を購入できたとも考えられます。
しかし若くして子供を授かり苦労されたのでしょう。恐らく親からの援助もなかったのではないでしょうか(勝手な推測ですが・・・)。
そのためかなり倹約を強いられたのではと勝手に同情するばかりです。

どうやらお母さんの入院に併せてこの地に引っ越してきたという設定のようですので、療養費を溜めるために比較的値ごろな家を購入したのかもしれませんね。
しかし、映画の最後でお母さんが退院したような描写もありましたので、今頃は家の住み替えで豪邸住まいかもしれませんね。6,000万円なら東京23区内でも十分家が買えそうです。
東京大学の近くに住んでいるのなら文京区にいるのかもしれません(これも勝手な想像です)。


そんな想像を膨らませながら映画を再び見てみると、また感じ方も違ってくるかもしれませんね。

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