2017年08月13日
スマイスターMagaZine文芸部

書評:溝口千恵子、三宅玲子「定年前リフォーム」

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(撮影=スマイスターMagaZine編集部)

■書名:定年前リフォーム

■著者:溝口千恵子、三宅玲子

■出版:文春新書

■定価:660円+税



『定年前リフォーム』は「近頃、よく耳にする「2010年問題」。」という書き出しから始まる2005年に刊行された新書だ。2010年問題とは、団塊世代が一気にリタイアすることによって労働者不足が発生することを指している。


その団塊の世代が、定年を迎えるまでに行うべきリフォームについて言及している。


本書ではリフォームのポイントを4つのFになぞらえている。

1 家族(FAMILY)との関係を見直す

2 どういう生き方をしたいか将来(FUTURE)を考える

3 安心して老いていける土台(FOUNDATION)をつくる

4 親世代の失敗(FAILURE)を活かす



第1章FAMILY―「家族との関係を見直す」では、仕事一辺倒で突っ走ってきた夫(特に団塊の世代)が、定年後に家ですごす時間が長くなった際、何もできず居場所がなくなることが多いと述べている。夫が外で働いていたあいだ、家に長くいたのは妻である。「家は妻の城」という言葉のとおり、リビングには夫の居場所はないというのだ。そこで、夫のプライベートな「個室」を作ることをおすすめしている。



去年、Yahoo!が運営する「おうちマガジン」で、大学で不動産について学ぶ学生が寄稿したコラム「家族が仲良く暮らせる間取りとは何か?」がネット上で小さく炎上した(現在記事は削除済み)。内容は、自宅に家族5人が暮らす学生の実体験から、家族が仲良くなるための間取り考えたものだ。炎上のきっかけは、「強いて母の部屋を作らずにリビングにいてもらいます(寝るときも)。」という一文と、母親以外には個室が用意されているという間取りで、「母親の扱いがないがしろにされている」とTwitterなどを中心に批判を浴びたのだ。


(寝るときも)という言葉は少々強い表現ではあるが、本書では同じように母親(妻)は自室が要らないケースが多いことに触れている。


夫の個室に対して、妻の個室はどうなのかというと、たいていの家庭では、専業主婦の妻は個室を望まない。なぜなら、家中がすでに妻にとっては城であり、言ってみれば、そっくりそのまま妻の個室だからである」。その中でも「リビングは妻の城の「心臓部」」とある。


本書は、女性2名による共著で、何組もの夫婦に取材した内容をまとめている。その点で考えれば、学生のコラムに批判的な意見を出した人々に「母親」や「妻」といった当事者がいたのか、はなはだ疑問だ。記事上の図面や文章だけを取り上げ、当の母親がどう思っているのかを無視した、尻馬に乗る者たちの炎上で、学生たちの連載を終わらせてしまった。


炎上騒動の中、一部では「言ってみれば共有スペース=全て母の部屋となっています。 めっちゃ狭いけどこれはこれであり」「私の家も母だけ部屋ないけど?」「母自身がここが1番居心地よく眠れるということでリビングが兼母の部屋である感じ」といった意見があったことを見逃してはならない。


今から12年前の書籍なので、マンションの価格が安いため住み替えがしやすい、といった部分は現在とは異なった部分だ。しかし、定年前にリフォームする具体例(図面など)や、リフォーム業者の選び方、陥りやすい失敗例など、現在でも十分参考になる書籍だ。

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