2017年02月13日
荒木達也 税理士、財産承継コンサルタント

タワーマンション相続税評価額計算の見直しについて

荒木達也 税理士、財産承継コンサルタント

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昨年12月の平成29年度税制改正大綱でタワーマンションの固定資産税評価額の改正が盛り込まれていました。


上階に行くほど高い固定資産税評価額となるような調整を行う改正のようです。


その改正では現状のタワーマンションの上層階における時価と相続税評価額の大きな乖離を解消するには到底及びそうにはありません。


それも、平成30年の新築物件からの改正となります。


つまり、今年中までに完成したタワーマンションは現状の通りの節税効果が得られることとなります。


もっとも、平成30年以降の固定資産税評価額の改正ではタワーマンション上層階の時価と相続税評価額との大きな乖離に対しては僅少な解消としかなり得ないでしょう。


相続税法22条では、相続税の財産評価は、その財産の取得の時における時価によるもとされています。


さらに、財産評価基本通達によって評価することが著しく不適当と認められる財産の可価額は、国税庁長官の指示を受けて評価するとも、されています。


すなわち、財産評価基本通達で相続税の財産評価額を計算した場合で、著しく時価と乖離してしまった場合には、国税庁長官はその価額を見直すことができることとされているわけです。


いままででは、タワーマンション購入後に相続を迎え相続税の申告と納付を済ませた後、間もなくタワーマンションを売却してしまった場合は、時価で評価するといった処分を受けたケースもあるようです。


ただ、これでは、都度都度の個別ごとの状況判断を踏まえての是正処分となってしまいます。


大きな節税効果が見込まれることからタワーマンションを購入した人たちにとって、相続税の申告ごとに想定していた評価額と異なった評価額に是正されてしまっては、たまったものではありません。


予測可能性に問題を残しそうです。


私自身、時価と大きな乖離を生じさせてしまう現行のタワーマンションの相続税財産評価の計算方法がいつまでも続くものとも思えずに、2年以上の前のコラムで土地の倍率方式の計算方法のようにタワーマンションにも上層階にいけばいくほど大きな倍率を設定して計算する方法はあるのではと述べさせていただいたことがあります。


そして、先週、参加した大手生命保険会社の税制改正のセミナーで、その講師の税理士の先生からタワーマンションの税制改正のお話がされたのですが、今年度は固定資産税評価額の改正であり、実は相続税の改正も予定されているとのことでした。


その予定されている相続税の改正とはいかなるものなのか・・・?


建物の相続税評価額の計算は倍率方式であり固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算するものとされています。


土地の倍率方式と考え方は同じです。


現状では建物の倍率は、1.0で統一固定化されています。


そのせいか、建物の相続税評価額=固定資産税評価額と一言で言いきってしまうことがほとんどです。


正確には固定資産税評価額に倍率1.0を乗じて計算しているのです。


であれば、タワーマンションごとに階数に応じた倍率を設定して相続税評価額を計算すれば時価との乖離は解消されることとなってきます。


その倍率設定の改正が、近々に行われることであろうとのことでした。


財産評価基本通達の改正であれば、通達の改正ですから国会審議は不要であるのですが、今夏にも改正は可能ではありますが、無難に税制改正大綱から国会審議を通しての改正であろうとの見方をしていました。


セミナーで聞いたお話ではありますが、課税の公平性と適正化からは、必要なかいせいとも思われ、この改正は増税というよりは課税の適正化とも考えられ、充分にありうる話であると、妙に納得して帰ってきました。


税法や通達で決められている評価額の計算方法で、時価と乖離するなど課税の公平性を損なわしめるものは、改正という手段で適正化を図ってきています。


節税効果の高い商品やスキームの検討には、課税の公平性から将来にわたって改正のリスクが存在しえないか、そのリスクの大きさとそのリスクの起こりうる確率を予想し、そして節税プランを練っていくことが、とても重要であると感じています。


節税商品を販売している人は、そのリスクには、触れない、喋らない、ウソはつかない、いわゆる日光のお猿さんならぬ、ミザル、イワザル、キカザル、となります。


ただし、節税効果が将来薄いものになろうとも、資産価値として高い価値が残るものであれば、その購入は成功であるとも考えられます。


要は、節税を第一の購入動機とすることは避けるべきであろうと考えます。


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