【コラム】トヨタホームがTOBを実施でミサワホームを子会社へ

トヨタホーム株式会社(本社:愛知県名古屋市 取締役社長:山科忠)は11月22日にTOBの実施でミサワホームを子会社化することを発表しました。(詳細はこちら)出資比率を51%まで上昇させることで子会社化をしますが、買付け上限株数が設定されているため、TOB成立後もミサワホームの上場は維持される予定になっています。

 

トヨタグループという誇り

トヨタホームはトヨタ自動車のグループ会社で、創業以来「日本の住まいを良くしたい」という思いで、トヨタグループの住宅事業を担う会社として発展してきました。「建てるときの安心」「建てたあとの安心」「支える安心」はトヨタグループの企業力を示しています。これらの理念を形にしたことで「2015年度グッドデザイン賞」において戸建て住宅の「鉄骨ラーメンユニット構造」や高効率全館空調「スマートエアーズ」などの手法が受賞しました。現在では戸建て住宅のみでなく、賃貸住宅、マンション事業、リフォーム事業、それらをすべて含めて街づくり事業を展開しています。

どの事業にも一貫してトヨタホームの家づくりはトヨタグループの総合力が活かされています。トヨタグループにて住宅関連事業が9社あり、それぞれが専門分野を担っています。太陽光発電や燃料電池で生み出したエネルギーを蓄電池に貯めたり、車に充電したり、と経済的にエネルギーを使用するスマートな生活の実現に取り組んでいます。

 

戸建て住宅業界の現状

新築住宅着工戸数は国土交通省のデータでは2009年度より、100万戸を割ってきています。2009年には77万5千戸、2015年では92万1千戸まで増加してきていますが、100万戸には未だ到達していません。

 

一方で、ストック住宅と言われている、空き家や別荘などの居住者がいない住宅戸数は853万戸となっており、過去最高となっています。この現状を受け、国土交通省でも「中古住宅流通・リフォーム市場の拡大・活性化のための特例措置」を発表しています。住宅のリフォームに利用可能な税制特例を設けることで、空き家の問題に対しての対策を急がれています。

 

 

トヨタホームとミサワホーム

トヨタホームとミサワホームは2005年にトヨタ自動車株式会社がミサワホームと資本業務提携関係を締結して以来、資材の共同調達や土地の共同購入・分譲、賃貸住宅の共同開発や人材交流といった多岐にわたる連携を行ってきました。

 

人口減少、少子高齢化が進み、今後は市場が縮小し、新築戸建て住宅よりも、ストック住宅の増加に伴い、中古住宅のリノベーションやリフォームなどの「ストックビジネス」強化や高齢者向け住宅などの新規事業への進出を行う必要があり、それには単独での対応が難しく、さらに厳しさが増す経営環境の乗り切るためには、両社の結びつきをより強固な関係として、事業を推進していくことが不可欠であると考え、提携をより深くするため、トヨタホームはTOBを実施しました。今回のTOBによりミサワホームは財務基盤を強固にし、社名やブランドなどは従来通り維持する一方で、技術や商品開発は資材調達などはシステム統合や相互活用で効率化し、トヨタホームの子会社となることで、既存事業でもそれぞれの企業文化、伝統を尊重しつつ、相乗効果を生み出し、更には新規事業においても連携を加速させ、企業価値の向上を目指していきます。

これにより、トヨタグループ内での住宅関連事業は合計で10社となり、今後さらに拡大していく可能性も考えられます。自動車の「世界のトヨタ」がグループで住宅・不動産事業でも「世界のトヨタ」になる日が近いかもしれません。トヨタグループが次に進出する事業に注目していきたいと思います。